ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (60) 呂文煥(りょぶんかん)の変心

こんにちは。Victoriaです。

2012/12/02 京都大学百周年時計台記念館で開催された、
ライフネット生命保険の出口社長に歴史を学ぶ 13世紀の世界」講義録のまとめ、
今回は、「呂文煥(りょぶんかん)の変心」






さて、
万全の態勢で立ち向かってきたモンゴル軍の前に、
南宋がなすすべもなく、
簡単に白旗を上げたかといえば、
実はそうではなく、











1271年、
南宋は水陸の精鋭10万の大軍団を襄樊に進軍させる。









南宋が誇る、
当時としては世界最強の無敵艦隊である。











残念ながら、
待ち受けていたモンゴル軍にこなごなに粉砕され、
南宋軍は壊滅、











その時点で、
南宋は国として機能をストップ、
何もやらなくなる。











当時の南宋の親分は、
賈似道→ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part 5 (43) 1260年、クビライのクーデタ=開平のクリルタイで皇帝に即位 - Victoriaの日記








モンケの弔い合戦に南下してきたクビライを、
顎州の役で破って、
南宋の事実上トップにのし上がっていた男。










やっぱり、
顎州の役はまぐれだったのか、
イケイケのモンゴル軍を前に、
どーすればいいのか、
全く手も足もでない感じで、











襄樊で孤軍奮闘していた呂文煥を見捨てたかっこうになった。










しかし、
名将と名高い呂文煥、
会戦で南宋軍が敗れてから、
なんと、
2年間ももちこたえている。











結局、
膠着した戦況を変えたのは、










新兵器 : 回回砲(=マンジャニーク)









写真みつけてきました。
これです。

杉山正明モンゴル帝国の興亡 下」p93から拝借。







巨大投石機なんだけど、
700〜800メートルの飛距離があったらしく、










これで、
川をらくらく越えて、
大砲をうちこまれ、











さすがの呂文煥もあきらめがつき、










人間に負けたんじゃなくて、
テクノロジーに負けたんだからということで、
メンツも立って、










全軍・全住民の助命を条件に開城、











6年に及ぶ長い長〜い籠城戦は終わりを告げる。











中国の人というのは、
戦に負けるにしても、
メンツが第一なのね・・・











・・・



それで、
クビライの本領が発揮されるのは、
実はここからで、











圧倒的勝利をおさめたモンゴル軍は、
敵の大将、呂文煥を優遇、











呂文煥の望み通り、
部下と住民の命を救っただけでなく、










呂文煥に、
軍司令官の肩書きを与え、
南宋に仕えていた時よりも、
いい待遇を与えた。











あきらかに自分たちを見捨てた南宋の親分、
賈似道への怒りも手伝って、











呂文煥は、
クビライこそ自分の主人と確信、
負けたからいやいや仕えるのではなく、
自分の意志で、
モンゴル軍の一員となった。











入ってみれば、
モンゴル軍の中には漢人もたくさんいて、
みんな、
実力と実績を正しく評価され、
いきいきと働いていた。










不当な人事や政争、嫉妬で足のひっぱりあいをしていた南宋よりも、
よっぽど風通しがよく、
しかも、
6年もいっしょに戦った同士として、
憎しみどころか尊敬の念も抱き合った間柄、









そうなると、
あとは話が早い。










モンゴル軍は、
この後、
戦わずして、
南宋を次々と手にいれていく。









呂文煥に対する南宋の仕打ちと、
その後のモンゴル軍の待遇を息をつめて見守っていた江南の人々が、
われ先にと、
降伏していったからである。












どの街へ行っても、
モンゴル軍は歓迎され、
全く血を流すことなく、
南宋の接収は終了、











最後に呂文煥を先頭として軍を率い、
賈似道の軍を破ったのはバヤン、










バヤンに関しても、
大変おもしろいエピソードがあるのだが、
それはまた次回、









ということで、
無事、
出口社長の講義に戻ってまいりました♪
めでたし、めでたし・・・










Victoriaでした。


・・・


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ライフネット生命の出口社長に歴史を学ぶ Part5 まとめ - Victoriaの日記







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